息子はるくんも2歳ごろから徐々にイヤイヤが始まり、3歳になった今、より主張が激しくなっています
「お着替えするよー」「ご飯だよー」「お風呂入るよー」何を言っても「イヤ!」で返ってきて、忙しい時や疲れているときは、「もう何が嫌なの!?」と声を荒げてしまいます
子どもも泣いて、もう私も泣きたいよー
そして、夜に子どもの寝顔を見ると、ごめんねの気持ちでいっぱいになります
いつも楽しく笑顔で過ごしていたいのに、、
そもそも、なんでこんなにイヤイヤするの??
この時期の子どもの発達や気持ちが分かれば、何か参考になるかな、と思い、モンテッソーリ教育に関する本を読み、今まではただの「イヤ」にしか聞こえなかったものも、子どもなりの意思やこだわりがあることを知りました
なるほど、はるくんなりに考えての行動なのね
そうは言っても、仏様のようにイヤイヤを全て受け入れられるほど、私には器も時間も無く、限られた時間の中で子どもの意思を尊重し、お互いに気持ちよく過ごせるように工夫しました
もちろんイヤイヤが全く無くなる訳ではなく、物を投げたり、パパいや!パパきらい!と八つ当たりすることも多いですが、効果があったものも少しだけあったので、実際の会話を交えて紹介します(失敗例もあります)
イヤイヤ期とは?それは一生の土台をつくる大切な「敏感期」
イヤイヤ期は、どんな時期?
魔の2歳児とも言われ、何でも「イヤ!」と主張が激しくなる時期
モンテッソーリ教育では、1歳ごろから始まるこのイヤイヤ期と重なる時期を「敏感期」と呼び、子どもの能力が最も伸びる時期としています
敏感期とは、生物が生きるために必要な能力を獲得すべく、あらゆる感覚が敏感になる時期のことで、人間では、0~6歳の幼児期にだけ現れるとされています
この敏感期に夢中になって経験したことは、楽に習得することができ、例えば、言語・感覚・運動・秩序など、生きていくために必要な能力を短期間で集中して獲得しようとしています
参考:あべようこ『モンテッソーリでわかるイヤイヤ期の子どものたすけ方』 河出書房新社
モンテッソーリ教育とは
最近では、将棋の藤井壮太さんが幼少時に受けていた教育として話題となり、20世紀前半にイタリア人の女性医師であるマリア・モンテッソーリによって提唱された教育法です
モンテッソーリ教育の基本的な考え方は、
モンテッソーリ教育の根本に流れているのは、「子どもの自立であり、親は子どものそばに寄り添い、見守る存在でいることが大事。決して手を貸したり、世話を焼いたりする存在ではなく、子どもの能力を引き出す存在である」と。
伊藤美佳 『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』 かんき出版
具体例として、一般的な幼稚園とモンテッソーリ教育を導入している幼稚園の活動の違いが挙げられています
一般的な幼稚園の場合
子どもは、当日の活動予定を知らないため、先生の指示を受けてから動きます
この場合、素直で、ものわかりのよい子が育ちますが、あくまでも「やらされている」ので、自分の頭で考える機会がありません
モンテッソーリ教育を導入している幼稚園
子どもたちが自由に動く環境が整っているので、先生に決められることがなく、自分の頭で考えて動きます
さらに、それが先生によって「承認」されたと実感すれば、先生のことを信頼し、自分勝手な行動をとらないようになるそうです
子どもの自立を助けるには、自分で考えて選択する機会をつくることが大切
モンテッソーリ教育に共感した点
私が モンテッソーリ教育に共感した点は、自分の頭で考え、選択できる自立した子どもになるということです
私自身は、きっちり管理型教育を受けてきていて、当たり前のように先生の指示を待ち、従順に従えば従うほどいい子と褒められてきました
そのため、先生に褒めてもらうために、早く答えにたどり着きたくて、寄り道をすることを嫌いました
答えに関係ないものを見ずに進んできて、途中の道にあったかもしれない自分の「これ気になる」とか「これ好きかも」といった感覚を知らない間に素通りしていたのかもしれません
その結果、自分の好きなことが分からない、個性が分からない、そして就職活動でもやりたいことが分からない、という人間になりました
自分は個性なんて無いと感じていましたし、自分の意見や新しい価値を生み出すということが今でも苦手です
だからこそ子どもには、自分の個性を大事に、自立した人間になって欲しいと思い、強く共感しました
イヤイヤ期の子どもの気持ちとモンテッソーリ流の接し方~実践~
この時期の子どもの気持ちを理解し、親からの声かけを工夫することで、イヤイヤを軽減できたものをご紹介します
イヤイヤ期の特徴①自分でやりたいから手伝って!
この時期の子どもの主張といえば、何でも「1人でできるようになりたい!」「自分でやりたい」です
自分で出来るときは良いですが、最初は絶対に失敗します
その時のフォローとして意識していたポイントがこちらです
接し方:見守りと共感
~途中で失敗して「イヤ!」なとき~
・靴下履けない編
……(何も言わずにただ見守る)
「イヤっ!できない!!!」
「そっかぁー、かかとが難しかったのね」(共感)
「うん。。。」
「じゃあちょっとお手伝いするよ~、ここをこうすると履きやすいかもね~」
初めに共感することで、スムーズに手伝うことができ、次のアドバイスも聞き入れてくれたように思います
そして、子ども自身が「自分でできた!」の感覚を早く掴むことが大切です!
接し方:子どもに選択させる
~そもそも行動が「イヤ」なとき~
これは、「子どもに選択させる」の一択です!
・お着替え「イヤ」編
「お着替えするよ~」
「イヤだっ!はるくんいまこれで遊んでるの!!!!」
「じゃあそれ終わってからでいいから、(両方の服を見せながら)この黄色の服と青色の服どっちにする?」
「んーー、きいろっ!」
・寝るのが「イヤ」編
(寝る時間の20分前ごろ)「そろそろ寝る時間になるけど、時計の長い針が、7,8,9どこになったらベッド行く?」
「えー、まだ眠くない、遊びたいもん」
「まだ遊んでていいけど、時計の針が7,8,9のどこになったら行く??」
「んーとね、9!」
「オッケー!じゃあそれまで遊ぼう!」
事前に終わりの時間を決めておくことで、子ども自身も今はまだ遊べるという前向きな気持ちと実際に寝る時間になったら、約束を守ろうという気持ちで動いてくれるようになりました
イヤイヤ期の特徴②いつもと同じがいい!
ここは私たちには理解し難いですが、子どもは「いつもと同じ」という秩序を手掛かりに、何も知らない世界を理解しようと日々頑張っているため、秩序に強いこだわりを持っているようです
いつもと同じイス、いつもと同じ道、いつもと同じ順番、この「いつもと同じ」が、子どもの安心感に繋がっているとのことです
息子にも同様に、外から家に入るときは、自分が1番先頭がいい!など独自の強いこだわりがあります
そして、驚いたことに、普段、息子が使わないお風呂の洗剤がいつもの壁に掛かっておらず、床にあったときに「ママこれちあう(違う)よ~」と言ってきました
普段何気なく置いてあるものでも、いつもと違うことに気付いていて、子どもの洞察力に驚きました
接し方:ルールを決める
この「いつもと同じ」は、子どもの中でルール化されるので良いことも悪いことも定着しやすく、我が家での【成功例】・ 【失敗例】 ・ 【ルールの伝え方の工夫】を紹介します
【成功例】時間通りに行動することができるようになった
1日の中で時間が決まっていることは、時計を活用して子どもと時間の感覚を共有しました
自分が忙しく時間がない時にイライラしがちだったので、ここはかなり負担を軽減できたと感じています
時計の長い針が「8」(7時40分)になったら、(朝)保育園(夜)ベッドに行くよ~!
子どもに選択させる時と似ていますが、これも事前に何回か「8になったら行くよ~」とアナウンスしています
この決めた時間は、毎日なるべく変えないように継続して、子どもの中で「8」に行くことを「いつもと同じ」というルールとして意識してもらうようにしています
そのためイヤイヤ言って時間が過ぎてしまっても、「あれ、いつも8だよね~?」と言うと、しぶしぶうなずいている姿がありました
さらに最近は、私がバタバタして時間が過ぎたとき「ママ、8になったよ!保育園行く時間よ!はるくん準備できたよ!」と教えてくれることもありました
【失敗例】夜ご飯を食べるときの悪い習慣が身についてしまった
以前何度か夜ご飯を食べているときに、パパかママの膝の上でテレビ(トーマス)を見ながら食べていたことがあり、この習慣が子どもの「いつもと同じ」になってしまいました
日中はテレビを見ないのに、「ご飯だよー」と言うと、
「パパの膝の上!トーマス見る!」
と言って叫びます
早くこのルールを変えたいので、改善することが今の課題です
この時期は、良いことも悪いこともルールとして定着してしまうので、気を付けないとと反省しています
【ルールの伝え方の工夫】理由付けで子ども自身が納得して守るようになった
社会ルールや危険なことは、その瞬間に「ダメ!」と言ってしまいがちですが、以前からの子どもの「なんで?」攻撃により、理由をちゃんと伝えると本人も納得してくれることが分かりました
- 道路は、車とぶつかったら痛いから、走らない
- 叩いたら、お友だちが痛くて悲しいから、叩かない
- 電車は、みんなが使うから汚さないように、靴を脱ぐ・お菓子を食べない
こういった子どもに覚えていてほしいルールは、理由を添えて伝えるようにしています
息子も普段の会話の中で、「すべって危ないから靴下脱ぐ〜」というように「~だから〇〇」ということもあります
そして、こういったルールはもちろんパパも同様に認識してもらい、「今回だけ特別にいいよ」など、普段と違う特別は、子どもが混乱するのでしないようにしています
モンテッソーリ教育の中で大切にしたいもう一つの概念
イヤイヤ期から話が逸れますが、1歳~2歳半頃に息子には多く見られ、子どもの成長過程で大事にしたいと思ったものが、子どもの集中力を高める「フロー状態」です
フロー状態とは、子どもが周りの音が聞こえなくなるほど遊びに集中して、のめり込んでいる状態のことで、口から大量によだれが出たり、口をとがらせて作業しているときのことです
このフロー状態をどれだけ経験できたかで、子どもが自分の持っている才能をどれだけ引き出せるかのカギとなるようです
フロー状態に入り、その遊びを満足いくまでやりきること、そしてそれをやりきったという自信が、将来、凄まじい集中力として発揮されるようです
このフロー状態になっている子どもは、とても集中しています
ティッシュを永遠に出し続けるとか同じおもちゃで遊び続けるとか、親が不思議なくらい止まらないことがあります
そんな時、私がついやりがちだったのが、「何してるの~?」とか「すごいねー!」などと話しかけることです
子どもは親に話しかけられるとプツっと集中力が途切れ、遊ぶことをやめてしまいます
子どもがその遊びをやりきる前にやめてしまうと、他のものに関心が移り、能力を十分に伸ばすことができません
「集中→満足」を繰り返すことで、子どもの才能が引き出されていくようです
子どもと協力して楽しい時間を作ろう!
イヤイヤされると、子どもの発達に必要なことだと分かっていても、私もイライラしてつい八つ当たりのように言葉が強くなってしまいます
でも、そのイヤイヤの裏に隠れた子どもの本当の思いが分かれば、こちらの受け止め方も変わって、少し気が楽になったように思います
子どもとのバトルの多くは、親の心の余裕の有り無しに左右されることも多いと感じていますので、子どもにも協力してもらいながら、楽しく暮らせるようにしていきたいと思っています
イヤイヤ期の接し方で参考にした本はこちら
イヤイヤ期の子どもへの接し方について
モンテッソーリ教育に学ぶ子どもの才能の伸ばし方について
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